第16回 国立大学情報処理センター協議会

中国四国地区情報処理センター協議会報告

中国四国地区の情報処理センター,総合情報処理センターに係わる問題点

鳥取大学総合情報処理センター長  木村 晃

 地区固有の問題についてメールの交換を行ったが,各センターから特に意見はあがってこなかった.そこで本年度は遠隔教育の問題を取り上げる.

 中国四国地域では距離の大小はあるものの分散キャンパスを持つ大学が多い(鳥取大,岡山大,広島大,山口大,香川大,徳島大,愛媛大,高知大). いずれの大学でもすでに教養課程は廃止され,一貫教育が実施されている.しかしながら教養教育が廃止されているわけではなく, いずれの大学でもその重要性は従来にも増して認識されおり,主に入学後の比較的早い時期に教育が実施されている. 授業が実施される場所も従来の教養部が設置されていたキャンパスで行われている場合が多い.したがって学生は入学直後は教養教育が行われるキャンパスに滞在し, 専門教育は学部が存在するキャンパスに移動して教育を受けるケースが多い.

 たとえば鳥取大学では医学部は米子市(鳥取~米子:90km)に設置されている. 医学部の学生は入学後の1年間は鳥取市の湖山キャンパスで,2年以後は米子キャンパスで教育を受けるようにプログラムが組まれている. 学生がプログラム通りに単位を取得すれば問題はないが,少人数ながらいくつかの単位を残したまま米子地区に移動する学生がいる. これらの学生に対しも講義の機会を保証する必要があるため,担当教官が米子地区に出向く必要があり,この時間的負担が教養教育の大きな問題となっている.

 近年SCSあるいはネットワークなどの発達により遠隔地から講義を実施することのできる技術的な環境の整備がすすめられており, いくつかの大学(間)で授業が開始されている.地区内の各センターにメールによる質問を行った結果, 中国四国地区では山口大学と鳥取大学が遠隔授業を開始しており,その他のいくつかの大学でも授業開始の準備が行われている. 高速の回線を利用した先行大学に比してまだ格段の差は感じられるうえ,現段階では教育システムの中で十分に機能しているとはいえないが 話題提供として両大学の取り組みについて紹介する.

1.山口大学

・講義科目(受講人数,対象学部名)

 日本国憲法 約200人 全学部
 その他 複数科目 それぞれ受講者 約100名 工学部ほか

・発信キャンパス(発信室名),着信キャンパス(受信室名),(通信速度)

 山口キャンパス/常盤キャンパス/小串キャンパスのいずれからも発信あるいは受信が可能となっている
 一画面あたり6Mbps

・受信形態

 教室のスクリーンに投影する方式
 2画面/教室

・利用システム (アプリケーション名)

 レスポンス・システム(自主開発)ほか

・問題点

 単独教室利用から遠隔講義まで幅広く使われている.現在山口県が計画しているやまぐち情報スーパーネットワークを利用して大学の講義等遠隔講義で県下の他大学に配信する計画をもっているが既存の遠隔講義システムは一画面あたり6Mbpsを必要とするので,回線コストがかさむという指摘がある.これについては検討中である.

2.鳥取大学

・講義科目

 運動生理学  約80名(医学部) 

・遠隔復習

 数値解析学  約120名(工学部)
 その他 数科目(農学部)
 *遠隔復習は講義に関連する資料(動画を含む),演習問題などの資料が端末機から随時参照できるようにしてある.

・発信キャンパス:湖山(鳥取市)および米子, 受信キャンパス:湖山および米子

 通信速度 0.5Mbps(1画面あたり)

・受信形態

   教室のスクリーン,端末機両方可能

・利用システム

 リアルシステム(日立)

・問題点

 鳥取~米子間の通信回線容量が3Mbpsでありこれを他目的に使用しているため遠隔教育には1Mbps(片側0.5Mbps×2)しか利用できない. このため情報圧縮を行っているために時間遅れが発生する.このため質問の即時対応性が失われるため別の装置を用いて質問に対応することを計画している. ネットワークを用いた教育,コンテンツ作成技能がまだ十分でないため,教育テレビなどを見慣れている学生を満足させることが難しい. コンテンツ作成の支援体制が学内にできていない.