第16回 国立大学情報処理センター協議会

関東地区情報処理センター協議会報告

金沢大学総合情報処理センター長  長野 勇

 昨今の大学を取り巻く情勢の劇的変化により、情報処理センター、総合情報処理センターはそれぞれ固有あるいは共通の問題を抱え始めている。 地区幹事校の金沢大学を例に問題点を取り上げる。

1.リプレ-スに伴う問題点

レンタル期間の5年の拡大に伴う、センターシステムの構築に関する問題点を列記すると、
 ○現状4年でも入札などの事務処理が終了するまでにPC等は既に1世代前の機械となっている。
 ○5年の間に処理能力は新機種に比べて1/(4~5)、OSは2ないし3回のバージョンアップがなされて、 社会の情勢に対応した教育ができない。
 ○平成15年から高校における情報教育がスタートし、その教育を受けた入学生が目にする大学の情報教育システムが高校と比較して勝 っている保証はない。
 ○並列計算機等新しい技術を組みこんだシステムが構築しづらい。などがあげられる。 この解決策として本学でこれから検討すべき課題として以下のものがある。

検討課題

1 学生個人の購入あるいは大学で用意(リース契約)する携帯型PCによる教育の検討
 本年、工学部の一部の学科で学生に携帯型PCを購入させる試みがスタートした。
2 契約年中にマシンの更新あるいはソフトウェアのバージョンアップを考慮した契約の模索
 (文部省ではまだ認められた実績はない模様)。
3 高校との連携により、導入教育は高校で済ませることが可能か検討する試み。  

2.情報教育における問題点

 リテラシー教育の必要性から、本学においては平成6年から導入教育(情報科学・情報処理演習)をスタートさせているが、以下の問題がある。
 ○多人数同時教育環境の構築がレンタル料の引き下げ(20%)でますます困難な状況になった。
 ○授業は教官の自由意思で行われており、学生の需要を満たす教官数を確保できていない。
 ○学外には無料のメールアドレス、ホームページサービスがあり、安易に利用できる状況にある。 そのため、導入教育を受けない学生の情報発信が学内で問題になっている。
 ○情報処理教育を受けた高校生の入学を見据えた今後の情報教育の指針が未定である。
 ○i-mode端末等による教育情報提供など実社会と違和感のない環境の構築が急務である。 この解決策として本学でこれから検討すべき課題として以下のものがある。

検討課題

1 一部の学科でスタートした携帯型パソコンを持たせる試みの情報を収集し、分析をする。
2 高校との授業内容の情報を交換する仕組みを模索する。
3 レンタル期間においても時代に即した教育環境作りのため、一時的な経費(学長裁量経費等)を活用し、定着した後にレンタルに組みこむ体制を確立する。
4 積極的に導入教育に関与できるスタッフ数の確保のための模索をする。  

3.インターネットの不正利用に対する取り組み

 従来、外部からの不正利用に注目していたが、学内の利用が盛んになるにつれて大学の構成員が原因のトラブルが増え、従来のままの管理体制では幾つか問題が出てきた。
 ○本学のネットワークは総合情報処理センター(基間部分)と学部学科(支線部分)で分散管理を行っているが、 トラブルは一部局のみの場合が少なく、複数の部局にまたがるケースが多くなっている。
 ○学内規則の多くの場合はネットワークのトラブルを想定して現在は作られてはいない。
 ○新聞をにぎわしている10代と程度の差こそあれ、入学時には社会人としての常識は十分に持ち合わせていない学生が多く、 トラブルを未然に防ぐ取り組みが必須と思われる。
 ○セキュリティーに関して人、予算の確保が難しく、かつ外注も困難な状況にある。この解決策として本学でこれから検討すべき課題として以下のものがある。

検討課題

1 各部局と総合情報処理センターとでトラブルの対処方法、ガイドラインの調整作業の検討
2 トラブル発生時の総合情報処理センターの役割と権限の学内への再確認の作業の検討
3 学内規則に基づいてネットワークトラブルに速やかに対処できるような仕組みの検討
4 ネットワークトラブルを未然に防ぐ全学的な取り組みの検討
   本年度工学部において入学時に学生に冊子"ネットワーク利用10の心得"を用いたネチケット教育と共に、 正しくネットワークを利用する旨の誓約書をもらう取り組みがスタート。
5 本学からの不正アクセスあるいは学外からの不正アクセスを防ぐための検討
 本年度、本センターに監視システムを導入し、不正アクセスのデータ収集をスタート。  

4.総合情報処理センターの将来構想

 前述のような問題に対処し、これからの大学の情報をになうためには現在の総合情報処理センターの体制では不充分であり、以下のような将来構想を検討している。
 1 研究部門の充実
 2 計算機、LAN支援の充実
 3 学内情報の一元化
将来構想の検討は他大学でも行われていると思うが、以下のような問題があり本協議会でも解決の方策を議論すべきであろう。

検討課題

1 総合情報処理センターの改組は学情課が交渉窓口で可能か?
2 学内情報の一元化を考慮すると今後、学情課、専門教育課、大臣官房政策課等複数の課と折衝が必要
3 LANの管理も含めた将来計画を立てる場合はネットワーク機器のレンタルへの組み込み、キャンパス間の回線費の増額を盛り込んだ取り組みが必要